北海道馬産地ファイターズ
2015年の記事一覧
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第84回 『他山の石とするのではなく』 2015.12.24
先日、とある生産者の方から電話をもらった。その生産者の方とは、取材を通して親しくさせてもらっており、最近も活躍馬が現れたことで、重賞を勝利する度に電話やショートメールなどでお祝いの言葉を贈らせてもらっているような関係である。 また嬉しい話を聞かせてもらえるのかな、と思って電話に出ると、その生産者の方は沈んだトーンでこんな話をしてきた。 「先日、新聞の取材を受けたんだけど、話していることのニュアンスがまるで違って...
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第83回 『マスターズ・アイ』 2015.11.19
そう言えば(という書き出しで始まるコラムもどうかと思うが)、今年の札幌開催では、『マスターズ・アイ』~札幌競馬2歳戦の「みどころ解説」~という、イベントのお手伝いをさせていただいた。 札幌開催が終わってからしばらく経っている今、この事柄について今さら触れるのもどうかと思うが、先日とある牧場主、そして友人の競馬ファンから、「あれはいいイベントだったよね」という言葉をもらい、これはコラムの題材として書かねばいけない...
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第82回 『ツアーツアーツアー』 2015.10.22
先日、自分のFacebookに、「ツアーに行ってきます!」との文章と共に新千歳空港内の写真を添付したところ、「いいね!」だけでなく、「どこにいくの?」との書き込みがあった。 友人のみんな、ナイスリアクションありがと!なんて思いながらネタばらしをしたのだが、新千歳空港からのツアーとは旅行ツアーではなく、新千歳空港に参加者が集合する某クラブ法人の1日ツアーのこと。そのクラブ法人のスタッフから、「村本さんにはツアーのゲストと...
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第81回 『UMAKOプロジェクトPARTⅡ』 2015.09.15
競馬界に未来のホースマンだけでなく、未来の競馬ファンとなる子供たちを獲得すべく、勝手に行動を始めてみた、「UMAKOプロジェクト」。 勿論、これはJRAの各競馬場で開催されている、「UMAJOプロジェクト」からオマージュ(笑)を受けたものであるのは、賢明な読者の皆さんならお分かりだろう。と書きながらも、個人的にどんな行動をすれば、競馬界に子供たちを呼び込めるのか...。と頭を悩ましていたところ、8月3日に苫小牧市の...
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第80回 『UMAKOプロジェクト』 2015.08.20
函館競馬場で行われている、ビギナーズセミナー(初心者向けの競馬教室です)講師の中休み。教室となっているクーラーの効いている部屋から、炎天下の屋外に出て、ふれあいパドックに歩を向けていくと、馬車がもの凄いスピードで走っていた。 一瞬、「まさか、御者に何かあったのでは?」と思い、馬車に乗っていた子供たちを助けるべく、とりあえず、締めていたネクタイを緩めて馬車に飛び乗ろうと思ったのだが、よく見ると御者の席には手綱を持...
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第79回 『HBAトレーニングセール』 2015.07.15
初めて上がった鑑定台は思っていた以上に視点が高く、眼前に広がる座席からは圧迫感さえ感じられた。 僅かなサインでも見落とさないとばかりに、会場全体を目を凝らして見たものの、緊張もあるのか、どこから、しかもどのタイミングで送られてくるかがまるで分からない。購買者のサインを的確に判断するには、やはりスポッターとの連携が必要だと感じさせられた。 深く深呼吸をした後、振り下ろす部分が欠けていたハンマーを握る。それは何頭も...
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第78回 『耳立て王 PARTⅡ』 2015.06.16
前回に続いて「耳立て王」を目指す自分、そして、皆さんのために書いてみた啓蒙コラムの続きです。前回の最後に書いたのが「目」という言葉。自分の経験談としては、耳立てを行う際に重要なのは「音」が6割で、「目」といった視覚効果が3割だと思っています。ちなみに残り1割は、馬とのテレパシーが通じた奇跡の瞬間とさせてください(笑)。 僕は耳立てを行う前には必ず馬の目を見て、「これから音を鳴らすよ」と話しかけています。まあ、僕...
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第77回 『耳立て王』 2015.05.20
「耳立て王に俺はなる!」 これは決して某週刊誌に連載されている、国民的人気マンガの主役が発した、名セリフのパクリなどではありません。2歳馬取材と撮影の立ち会いを行う中で、心の奥底から沸き上がった感情が発した言葉、と思っていただければこれ幸いです。 まあ、ゴムゴムの実があれば、安全な位置から立ち写真撮影に臨む馬の脚を揃えたり、耳立ての際も、馬のすぐ目の前で音を鳴らすことができるはず。まあ、そんなファンタジーな世界...
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第76回 『プロ野球ドラフトとPOG』 2015.04.19
先月、Perfumeファンであることを、ここでカミングアウトさせていただいたが、このコラムのタイトルにもあるように、実は物心つくかつかないうちからの野球ファンでもある。 しかも走力、パワーなど、選手の能力が数値化されていた野球ゲームを通して、より選手を深く理解していったこともあり、次第に成績のようなデータ面に目が行くようになっていく。 いつしかTVで野球中継を見たり、もしくは実際に球場へ観戦に行った時でも、いつも手元に...
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第75回 『ドラゲナイ』 2015.03.17
今、「ドラゲナイ」が熱い。この書き出しに「そうだよね~」と同調してくださったのは、20代で音楽に興味がある方ではないかと思われる。それでも40代で、趣味は野球を中心とした、様々なスポーツ観戦である自分ですら、「ドラゲナイ」という言葉が頭から離れないようになってきた。 ドラゲナイの語源とは、昨年の紅白歌合戦にも出場した「SEKAI NO OWARI」というバンドの最新シングルである「Dragon Night」。そのサビの部分が「ドラゲナイ」と...