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第61回 「武 豊」

2016.04.12
 3月12日に中京競馬場で行われた第52回中日新聞杯で、単勝13番人気のレコンダイトが3着になり、複勝の払戻金は1,110円を記録した。レコンダイトに騎乗していたのは中央競馬の歴代最多勝を更新し続ける武豊騎手だ。
 武豊騎手の騎乗馬が3着以内になり、複勝の払戻金が1,000円を超えたのは、武豊騎手が1987年にデビューして以来、これが8度目のことだった。

 古い順に、その記録を紹介しよう。

■1996年12月1日阪神、ゴールデンホイップトロフィー、12番人気アドマイヤコール3着、複勝1,220円
■2004年7月17日小倉、指宿特別、10番人気エーティーテイオー2着、複勝1,710円
■2011年4月23日東京、未勝利、9番人気ファンフェア2着、複勝1,090円
■2011年10月30日東京、3歳上500万下、10番人気ミエノグレース2着、複勝1,740円
■2011年12月17日阪神、阪神カップ、13番人気フラガラッハ3着、複勝1,410円
■2014年3月1日阪神、未勝利、13番人気エアジャモーサ2着、複勝2,350円
■2015年6月27日阪神、グリーンS、12番人気プランスペスカ1着、複勝1,290円

 武豊騎手はデビューした1987年に当時の新人最多勝記録となる69勝を挙げてから現在まで、競馬界を象徴するジョッキーとして活躍。競馬を知らない人たちにもその存在をアピールしてきた。当然、競馬ファンで武豊の名前を知らない人はおらず、武豊騎手の騎乗馬は常に人気を集めることが多い。「元返し」と言われる複勝100円の払い戻しは、3月12日現在で実に665回を数える。人気馬に騎乗した時の確実さは素晴しいのひとことだ。

 この30年間、馬券オヤジの筆者は常に武豊騎手と馬券で闘ってきたと感じる。「買うべきか買わざるべきか、それが問題だ」。どちらかといえば穴党の僕は人気のある武豊騎手の騎乗馬を除いた馬券を買って、外してきた思い出が多い。

 ただ武豊騎手を取り巻く状況は近年、変化しつつある。安藤勝己騎手、内田博幸騎手、岩田康誠騎手ら地方の名手が移籍。昨年はミルコ・デムーロ騎手、クリストフ・ルメール騎手と海外からもトップジョッキーが中央競馬に参戦した。期待を一身に集めていた以前に比べ、武豊騎手への注目度は間違いなく下がっている。「高配当が望めない」と敬遠していた武豊騎手の馬券で今こそもうかるチャンスが来たのではないだろうか。中日新聞杯のレコンダイトは、その兆しでは。そう考えて調べてみたのが以下の結果だ。

 昨2015年、武豊騎手は中央競馬で763戦106勝の成績を挙げた。2着は89回、3着は65回あった。勝率は1割3分9厘、連対率は2割5分6厘だ。

 まず全レースで単勝を買ってみるとしよう。100円ずつ買ったとして年間76,300円の投資で回収率は71%になった。確実性を上げるために1番人気の単勝だけにしたら、161戦55勝となり、回収率は86%に上がる。2番人気ではどうか。99戦して17勝、回収率は72%と良くない。3番人気では122戦16勝で回収率は77%。4番人気なら89戦10勝、そして回収率は103%と投資金額を上回る。5番人気だと83戦3勝で回収率は40%と大きく落ちる。6番人気以下では209戦して、わずかに5勝。回収率は52%でしかない。

 4番人気に絞って、さらに調べを進めると、ダートでは単勝の回収率が71%に過ぎないのに対し、芝では123%に達する。55戦8勝、2着6回、3着5回で勝率1割4分5厘、連対率2割5分5厘、3着内率3割4分5厘と「馬券になる」ことがわかる。

 昨年1年間だけのデータではあるが、武豊騎手の狙い目は「単勝4番人気の芝コース」ということになる。

 これはすごいことを見つけた、と思い、早速、このデータを今年2016年に当てはめてみた。3月17日現在、武豊騎手が芝コースで騎乗した4番人気馬は16戦して1勝、2着2回、3着3回と不振。単勝の回収率は63%しかなかった。よくあることだが、気がついた時に、その傾向は終わっているものだ。とほほ。
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