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プロフィール
有吉正徳競馬ライター

1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。

最新記事一覧

  • 第11回 形は変わってもSS支配 2009.02.25

     1995年から続いていたサンデーサイレンス(SS)の時代がついに終わった。 13年間,リーディングサイアーの座にあったSSは08年,ランキング7位に終わった。代わって首位に立ったのはSSの息子アグネスタキオンだった。 キャプテントゥーレ(皐月賞),ディープスカイ(NHKマイルカップ,ダービー),リトルアマポーラ(エリザベス女王杯),ダイワスカーレット(有馬記念)と4頭がG15勝を挙げるなど産駒は計129勝を挙げ,33億円あまりの賞金を稼いだ。 2位もSS2世...

  • 第10回 幸せな黄金旅程 2009.01.25

     日本でジャパンカップが行われ,スクリーンヒーローがG1馬の仲間入りを果たした11月30日,シンガポールでも1頭のG1馬が誕生した。日本を離れ,現地で活躍する高岡秀行調教師(52)が育てているエルドラドだ。地元の大レース,シンガポールゴールドカップ(シンガポールG1,芝2200メートル)に出走し,直線で先頭に立つと,2着馬の追い込みを頭差でしのいで初のG1制覇を果たした。エルドラドは日本産。父ステイゴールド,母ホワイトリープ,母の父ホワイトマズル...

  • 第9回 天皇賞のこぼれ話 2008.12.25

     秋の天皇賞はゴール前,ウオッカとダイワスカーレットの壮絶な競り合いになった。1着ウオッカと2着ダイワスカーレットの着差は,わずか2センチ。競馬ファンはいまだに,あのレースから受けた刺激にしびれているようだ。久しぶりに会う友人とは「天皇賞,見た?」が合言葉のようになっている。 歴史的な名勝負と評価される,このレースではいくつかの記録が生み出された。 まずはウオッカの優勝タイムだ。1分57秒2は,シンボリクリスエスが同じく2003年...

  • 第8回 F1と競馬の共通点 2008.11.25

     10月9日から12日まで,静岡・富士スピードウェイで行われたフォーミュラワン(F1)日本グランプリ(GP)の取材に行った。 スポーツ紙に在籍していた時代は,競馬だけを専門に担当していた。しかし一般紙のスポーツ記者になってからは,そうもいかなくなった。サッカー,アメリカンフットボール,セパタクロー,フリースタイルスキー。知識があろうがなかろうが,経験があろうがなかろうが,人手が足りない時はどんなスポーツの取材にも駆り出される。最近は,...

  • 第7回 不良馬場でのダービー 2008.10.25

     9月7日に行われた第28回新潟2歳Sは1番人気のセイウンワンダーが優勝した。予想したより後方からのレースになってしまったが,岩田康誠騎手は想定外の出来事にも慌てることなく,馬場の大外に出して,セイウンワンダーの末脚を見事に引き出した。 勝ちタイムは1分35秒4。新潟2歳Sが1600メートルで行われるようになった2002年以降,もっとも遅い優勝タイムとなった。 勝ちタイムは遅くなったのには,はっきりとした理由がある。この日は雨の影響で第1レ...

  • 第6回 香港で考えたこと 2008.09.25

     北京五輪の馬術競技を取材するため,8月の2週間あまり,競技の会場となった香港に滞在した。国際都市であり,重要なアジア競馬の拠点でもある香港で,日本の競馬の行く末について色々と感じることが多かった。 馬術会場は沙田(シャティン)競馬場のすぐ隣に新設された。日本の競馬ファンにとって,沙田競馬場はステイゴールドやアグネスデジタル,エイシンプレストンらが活躍したことで,忘れられない思い出の競馬場だ。 馬術競技に出場する約200頭の馬...

  • 第5回 フレンチの料理人 2008.08.25

     7月6日,その日の成績を振り返っていて,ある種の感慨に襲われた。 この日,函館競馬場で行われた重賞レースの函館スプリントSは圧倒的な1番人気に支持されたキンシャサノキセキがハイペースを3番手で追走し,直線で力強く抜け出した。手綱を取っていたのは岩田康誠騎手。今年9つ目の重賞勝ちは,JRAジョッキーの中では最多の勝ち星だ。 福島競馬場であったラジオNIKKEI賞はレオマイスターが最後の直線で一完歩ごとに逃げたノットアローンに迫り,首差...

  • 第4回 消えなかった情熱の炎

     完全にあきらめていた落とし物が,長い年月を経て,手元に戻ってきたような感じ。といえば,わかっていただけるだろうか。 6月1日,ディープスカイが優勝したダービー直後の第11レース,東京競馬場では富嶽賞のスタートが切られた。ファンはフラムドパシオンのことを忘れてはいなかった。単勝2.1倍。2年3か月ぶりに実戦復帰する競走馬への期待としてはあまりに大きすぎる支持だった。 それほどフラムドパシオンの強さはファンの脳裏に焼き付いていた...

  • 第3回 キーワードはSS

     この春,日本を発祥とする血統のサラブレッドが世界中で大活躍した。まずはドバイだった。 かつてステイゴールドが優勝したこともあるドバイシーマクラシック(芝2400メートル)は3月29日,アラブ首長国連邦のナドアルシバ競馬場で行われ,オーストラリア生まれの南アフリカ調教馬サンクラシークが優勝,1着賞金300万ドル(約3億円)を獲得した。 サンクラシークはフジキセキ産駒の牝馬。フジキセキがシャトル種牡馬として日本とオーストラリアを行き来...

  • 第2回 あるがままを受け入れる心 2008.05.25

     3月30日に中京競馬場で行われたG1競走・第38回高松宮記念は,単勝4番人気のファイングレイン(牡5歳,栗東・長浜博之厩舎)が優勝した。 勝ちタイムの1分7秒1は高松宮記念のレース新記録。1200メートルに限れば,これで4戦4勝の負け知らずとなったファイングレインは,主役不在だったスプリント界の王座に就いた。 レース後,ファイングレインの生産者でオーナーの社台ファーム・吉田照哉代表にうかがった話は実に興味深いものだった。 当初,聞きたい...

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