北海道馬産地ファイターズ
2010年の記事一覧
-
第24回 中国競馬 2010.12.13
「入郷而随郷,入俗而随俗」という中国語がある。日本語での意味は「郷に入れば郷に従え」となるのだが,「郷」と「入」いう文字が入っているので,ニュアンスからも文字の持つ意味がイメージしやすいのは,日中の両国で使われてきた漢字ならではと言えよう。 HBAの定期市場では今年最後となるオータムセールに,中国人実業家の張月勝さんが,中国人としては初めて日本の競走馬市場に参加。1歳馬18頭を総額4,735万円で購入していったことは,セ...
-
第23回 馬産地見学ガイドツアー 2010.11.11
10月1日から3日まで行われた「2010年秋北海道馬産地見学ガイドツアー」。昨年,同時期に行われたツアーは,同行者の自分ですら,「全部回れるのか?」と思ったほどの盛りだくさんの行程だった。 今回は訪れる牧場施設の数こそ減ったものの,それでも白老から浦河まで,全走行距離は昨年の3割増し(あくまで個人的な感想)となっており,その分,馬産地の様々な風景を見ていただけたのではないかと思っている。 残念ながら筆者は,2日は札幌...
-
第22回 ばんえい十勝 2010.10.25
ばんえい競馬に用いられているペルシュロンやブルトンといった重種馬だが,走らせると意外に脚は速いらしい。まあ,見た目よりは,という注意書きこそ添えなくてはいけないのだろうが。 一方,サラブレッドでも600㎏に迫るような馬なら,100㎏のそりなら,直線200㍍ぐらいは頑張って引っ張ってくれるという気もしないでもない。まあ,その場合にも「第1障害と第2障害は登らない」という条件を書き添えなくてはいけないのだろうが。 8月23日,...
-
第21回 函館競馬場&セレクトセールツアー 2010.09.10
というわけで,前回のこのコラムをお読みの方ならお分かりかと思うが,今回は,「★新装!JRA函館競馬場での競馬観戦とセレクトセール見学ガイドツアー」の後日談について書かせていただきたい。 前回のコラムでも触れているのだが,昨年の秋に行われた「馬産地見学ガイドツアー」で,添乗員兼取材ルポライター兼雑用をつとめさせていただいてから約一年。その時はいつも取材で足を運んでいる馬産地ということもあり,自分の経験を元に案内や話を...
-
第20回 函館競馬観戦とセレクトセール見学ツアー 2010.08.10
また,ツアーコンダクターをすることとなった。しかも今回はツアーコンダクターに加え,せりのガイドという重要な役目まで担うこととなってしまった。 JBBAやふるさと案内所のHP,もしくは様々な競馬媒体などで,「★新装!JRA函館競馬場での競馬観戦とセレクトセール見学ガイドツアー」という文字を目にされた方もいられることだろう。実はこのツアーの説明文にあった,「馬産地に精通した馬産地ライターも一部行程でガイド役として参加」のライ...
-
第19回 立ち写真その2(Part3) 2010.07.09
軸が決まった場合,そして軸を決めるまでの段階で必要なのが,手綱の力加減。あっという間に軸を作ってしまう人もいれば,何度やっても同じ位置に肢を置いてしまう例も見られる,非常に繊細な作業でもある。 「僕らは手綱を押したり引いたりすることを,『ボリュームコントロール』と呼んでいます。馬の肢を操るときの拳の力加減ですが,徐々に力を強めていくことで,馬が体重移動を始めて,肢が浮き上がる瞬間を捉えることができます。この時,...
-
第18回 立ち写真その2(Part2) 2010.06.14
前回の原稿を書いた後,2歳馬の立ち写真撮影の合間を狙って,ハンドラーから見た軸の写真を撮影してみた。ちなみにこの写真は正しい軸だけでなく,四肢全てが正しい位置に置かれているのだが,実際にハンドラーの目線で軸や脚の位置を見てみると,軸の位置を確かめることが非常に困難なことが分かる。 「ハンドラーの位置から軸を見て,判断が難しいと感じるのは当然だと思いますよ」と話してくれたのは,前回も質問に答えてくれた知り合いの種...
-
第17回 立ち写真その2(Part1) 2010.05.10
勝手な解釈かもしれないが,日本は世界の競馬国の中でも,最も立ち写真が美しい国だと感じる。との書き出しに,おや?と思われた方,「ありがとうございます」と心から感謝の言葉を述べさせていただきたい。 実は冒頭の2行は,本コラム第6回目の「立ち写真」の書き出しをそのまんま貼り付けてみたものである。そこまでこの拙文に目を通していただいたかと思うと,ライター冥利に尽きるというか,連載を続けてきて良かったというか。とにかく,...
-
第16回 グリーンチャンネル 2010.04.01
恥ずかしながら,TVに出演させてもらっている。その番組とはグリーンチャンネルの「日高支局定期便」。楽天競馬のスペシャルアドバイザーである古谷剛彦さんと共にカメラの中に収まっているのだが,予想以上の反応があって,正直驚いている。 そのほとんどが,グリーンチャンネルを視聴している生産者の方からの「見たよ」という声。放送時間が日曜日に放送されている中央競馬中継のすぐ後ということで,意識してチャンネルを変えない限りは,...
-
第15回 天気 VS 種牡馬展示会 2010.03.01
今年の北海道の冬は「日少太多」の冬型らしい。そんな言葉を聞いたことがないぞ,という読者の方に対して素直に謝る。これは自分が作った造語であり,本当なら「西高東低」みたいな漢字でしっくり来るかな,と思っていたのだが,やはり,「今年の冬,日本海側は雪が少なくて,太平洋側は雪が多いでしょう」という言葉を四文字にまとめるのは無理があったようだ。 雪国という言葉でひとまとめにされてしまう北海道だが,それでも降雪量や冷え込み...