北海道馬産地ファイターズ
1972北海道生まれ。
札幌市在住。
大学在学中に「第1回Numberスポーツノンフィクション新人賞」を授賞。
大学卒業後は競走馬育成牧場に勤務。
生産・育成の現場への深い理解と知識を生かした執筆活動を行う。
現在は「優駿」「サラブレ」「競馬ブック」などの競馬雑誌に寄稿する他、競走馬のふるさと案内所のニュース記事等も担当。
エッセーのタイトルは造詣の深い「北海道日本ハムファイターズ」から。

最新記事一覧
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第38回 『競馬の先生』 2012.02.15
グリーンチャンネルに出演させてもらっている分際で大変申し訳ないのだが、BSイレブン競馬中継で、ビッグレッドファームグループの総帥と言われている岡田繁幸氏がゲスト出演している時は、そちらを見てしまうことが多くなった。 岡田氏とは取材で面識ができたのをいいことに、札幌競馬場のパドックで真剣に馬を凝視している横で、予想を聞かせてもらうことが多々ある。「トモはいいんだけど、飛節の角度がなあ...」や「この馬は筋肉が固くて収...
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第37回 『2011年の10大ニュース』 2012.01.16
僭越ながら、今年もこのJBBA誌上にて、コラムを続けさせていただくことが決まった。個人的にも4年も続いた連載はそれほどなく、連載と共に築き上げてきた背番号(詳しくはタイトルのイラストを見てください)も48番まで伸びることがほぼ確実となった。 これまでの36回を振り返るのはさすがにどうかと思うので、せめて2011年を回顧してみようと思う。ちょうどタイミングも良く、ふるさと案内所が主催する「2011年馬産地10大ニュース」のアン...
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第36回 テレビと競馬 2011.12.07
オータムセール終了後,ふるさと案内所でくつろいでいたら,突然,携帯が鳴った。 電話の発信主は母親。「便りがないのは無事な証拠」を親子間のルールとしている村本家では,約2ヵ月ぶりの着信でもある。病院通いが絶えなくなった父親に何かあったのでは?と恐る恐る着信ボタンを押してみると,「今,TVのニュースでやっていたんだけど,中国の方がせりで馬を買っていったの?」と唐突に話し出した。 これをお読みの競馬関係者の方なら重々承...
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第35回 馬産地ツアー 2011.11.07
スポーツの秋,食欲の秋,芸術の秋,そして北海道馬産地見学ガイドツアーの秋。いささか,いや,かなり強引だった気もするが,今年の秋も「競走馬のふるさと案内所」が企画する馬産地ツアーに同行してきた。 一昨年は取材&ツアーコンダクターとして,昨年は初日のツアーの後に目眩でリタイアと,様々な立場?でこのツアーに関わってきたが,今回はまさに「ツアーに参加」してきた。 というのも,コーディネーターとしての職から離れたことで自...
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第34回 GⅠ馬という素質 2011.10.11
先日,久しぶりに北海道日本ハムファイターズ関係の仕事をしてきた。 宝島社から9月中旬に発刊された「プロ野球 3番打者最強伝説」という書籍の中で,パリーグのリーディングヒッター争いを繰り広げる糸井嘉男外野手に話を聞いてきたのだが(ご一読よろしくお願いします),怪物ぶりを感じさせる数々のエピソードよりも,糸井選手の体の凄さにただただ圧倒された。 一言で言うのなら,ダビデ像そのもの。半袖Tシャツの裾が破れるのではないか...
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第33回 競馬教室 2011.09.12
教員免許を持っていないのに「先生」と呼ばれたことがある。JRA北海道シリーズの札幌開催では,毎年,ファン向けの競馬教室が行われているのだが,そこで講師のような仕事をやらせてもらった時の話だ。 こうしたイベントに集まってこられるファンの方は,全くの初心者か,もしくは僕よりも競馬歴の長い人生の先輩たち。どちらにも共通した話をするのは到底無理なので,馬券の種類や馬券の買い方など,初心者の方に合わせた話をさせてもらっている...
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第32回 生産育成技術者研修 2011.08.05
育成牧場に勤務していた頃,先輩にBTC軽種馬育成調教センターで育成調教技術者養成研修を受けた先輩がいた。 その先輩は大学を卒業後,一度はサラリーマンとなったが,当時は第二次競馬ブームのまっただ中。馬に関わる仕事ができないかと考えた時,とある競馬紙で目にしたのが,BTCの育成調教技術者養成研修の記事だった。 「問い合わせをしてみると,もう募集は打ち切ったと言われたんだけど,先生からの『来期も申し込んでみて』との言葉を信...
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第31回 ハッツオフ計画 2011.07.14
日本時間の3月11日,14時46分。ウインチェスターファームのあるアメリカ東部時間の時計は,午前1時46分を指していた。 お産時期だったこともあり,枕元にトランシーバーと携帯電話を置いていたウインチェスターファーム代表の吉田直哉氏は,ツイッターが受信されたことを知らせるメールにまどろみを奪われる。そこには「都内大パニック」とのツイートがあった。 何のことか理解できなかった吉田氏は再び眠りに付いたが,数時間後に目を覚まし...
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第30回 マスコミ学の講師 2011.06.10
以前,とある研修会の取材に行った際,帰り際に声をかけてくださった知り合いの生産者の方が,こんなことを言ってくれた。「村本君もさ,『正しい取材の受け答え方』というテーマで,みんなの前で講演をすればいいんだよ」 講師。なかなか憧れる職業である。そう言われた瞬間,秘書に「今日はどこで講演があるのかな?」などと尋ねてみたり,台座の横にある水を意味なく飲み干す自分の姿を想像したりもした。 だが,そんな想像を自分で打ち消す...
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第29回 地震 2011.05.11
今年,最初の2歳馬の取材で,立ちポーズを決める馬の耳を立たせていた時だった。突然,馬の落ち着きが無くなり,その後,地面がたゆんだ。 春先は凍結と融解を繰り返すために,見た目よりも緩んでいる足場が多い。安定した舗装の上に足元を動かそうとすると,バランスを崩しそうになり,今,感じているたゆみが足場の問題とは関係ないことを悟った。 ふと,昨年の馬産地ツアーに同行できない原因となった,目眩が再発したのではと思った。今後...