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プロフィール
村本浩平スポーツライター

1972北海道生まれ。
 札幌市在住。
大学在学中に「第1回Numberスポーツノンフィクション新人賞」を授賞。
大学卒業後は競走馬育成牧場に勤務。
生産・育成の現場への深い理解と知識を生かした執筆活動を行う。
現在は「優駿」「サラブレ」「競馬ブック」などの競馬雑誌に寄稿する他、競走馬のふるさと案内所のニュース記事等も担当。
エッセーのタイトルは造詣の深い「北海道日本ハムファイターズ」から。

最新記事一覧

  • 第147回 『無所属のフリーライター』 2021.03.19

     そういえば、年明けに優駿編集部から届けられる取材用のパスが、まだ手元にないことに気づいた。 いつもパスを送ってくれている、優駿編集部の道産子編集者に話を聞くと、JRAの報道にパスの申請は出しているとのこと。だが、年末から年始にかけての、新型コロナウイルス感染者の大幅な増加を受けて、JRA(含む優駿編集部)では、テレワークで業務を行っている職員も多くなっているのも原因らしい。てっきり、「ウチの名を借りて、好き勝手...

  • 第146回 『沢村忠と五木ひろしとダービー』 2021.02.19

     昔から本を読むのは速いほうだった。ページ数にもよるが、調子が良ければ単行本を1~2時間で読破できる。以前に「修行」という名目で、図書館から1日に3冊の本を借りて、その日のうちに読破。次の日には返すというサイクルを、一か月程続けたことがある。 それでもこの本は手強かった。著者である細田昌志氏が、執筆を思い立ってから約10年にもわたる緻密な取材を続け、昨年の10月に上梓された、『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモータ...

  • 第145回 『ダービースタリオン』 2021.01.15

     4年目にして破産をした。原因は分かっている。初期牝馬にそれなりのネームバリューのある種牡馬を配合したのだが、産まれてきた牡馬は体質が弱く、ほぼレースに出走できないまま、未勝利で引退。 兄の無念を晴らすかのように、オープンまで上り詰めようとしていた弟は、デビュー前に脚元が強いというコメントが聞かれたにもかかわらず、調教中に屈腱炎を発症し、その後の成績も振るわなくなった。 その後、インブリードを狙って配合された生産...

  • 第144回 『馬九いく守で馬券も上手く 2020.12.16

     今年、最後のせり市場となった、ジェイエス秋季繁殖馬セール当日。競走馬のふるさと日高案内所でのんびりと、いや、取材に向けての鋭気を養っていると男性職員が、「村本さん、これ知ってますか?」と言って、お守りと御朱印帳を持ってきた。 最近は御朱印を集めたり、神社に行くのが流行ってますよね、と言おうと思ったところ、その御朱印帳とお守りにデザインされた馬の姿に目が行く。思わず、何ですかこれ?と質問を向けると、その男性職員は...

  • 第143回 『HIDAKA HORSE CARDS』 2020.11.20

     きっかけは、知人の生産者がFacebookに載せていたある記事だった。 「3枚連続で同じカードをゲット(笑)」とのコメントが書かれた記事には、ゴールの瞬間と思われる馬の写真と、馬名が記載されたカードが。数日後には他の生産者が、「レアカードが出た!」とホログラム加工がされたカードを、Facebookにアップしていた。この2人ともに日高町内の生産者であり、「日高町」「馬」「カード」でググってみると、あっさりと「HIDAKA HORSE CARDS」...

  • 第142回 『ゾース、馬ソリを引く』PART Ⅱ 2020.10.16

     ゾース(シマウマと馬を異種交配された雑種馬)を乗馬にするために、シマウマの牡馬を購入した、新冠町内で生産牧場を営む田村義徳さん。繋養していたアパルーサとハフリンガーの牝馬に配合を試みると、牡、牝の双方で見事な縞模様が出たゾースが誕生した。  しかしながら、知人からの誘いを受けて、その2頭のゾースは草ばんば大会へと出走。その噂を聞きつけて、会場であるむかわ町穂別へとやってきた筆者、というのが前回のあらすじである。...

  • 第141回 『ゾース、馬ソリを引く』PART Ⅰ 2020.09.17

     世界で唯一とされるばんえい競馬。その言葉を借りるのなら、世界で唯一かつ、初めてのレースを目の当たりにしてしまったのかもしれない。 そのレースが行われたのは、7月26日にむかわ町のばんえい競馬特設会場で開催された、穂別ポニー輓馬大会。以前にもこのコラムの中で草ばんば大会について(107回~109回)取り上げたこともある。 しかしながら、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るべく、いたる所で大会が中止。穂別ポニー輓...

  • 第140回 『護持』 2020.08.19

     コロナ太りと言われる前から、ぽっちゃりとしていた筆者であるが、不要不急の外出を避けていたことが更に拍車をかける形で、ただの「不摂生太り」になっていた。 緊急事態宣言が解除された以降、筆者の住む札幌市内でも、様々な公共施設が再開していく中で、好んで利用していたトレーニング施設も再開の運びとなった。 その施設では入場時のマスク着用や、アルコールスプレーでの手の消毒だけでなく、非接触型体温計での検温、そして、簡単な健...

  • 第139回 『新しい仕事様式』 2020.07.17

     GⅠシーズンはレース後に電話で感想を語り合ってきた友人が、「この流れに乗って、俺たちもZOOMで競馬観戦してみない?」と誘ってきた。言われるがままにスマホにアプリをダウンロードし、その友達から送られてきたURLを開くと、TVのニュースで見たことがあるZOOMの画面が、そっくりそのまま出てきた。 時代を先取るニューパワーだ!と興奮しながら、その友人と会話を交わしていくも、途中で会話がままならなくなる。すると、「村もっちゃんの話...

  • 第138回 『競馬を止めるな!』 2020.06.18

     毎年、ゴールデンウィークは自宅に引きこもっている。一度、しずない桜まつりが開催されていた時期に、日高方面へ取材に行ったことがある。 案の定というのか、帰りは大渋滞に巻き込まれ、いつまで経っても動かない車列の中で、ゴールデンウィーク期間は日高方面への取材を入れないことを誓った。 今年のゴールデンウィークも自宅に引きこもっていた。 しかしながら今回は自発的ではなく、緊急事態宣言の発令という、国からのお達しである。な...

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