北海道馬産地ファイターズ
1972北海道生まれ。
札幌市在住。
大学在学中に「第1回Numberスポーツノンフィクション新人賞」を授賞。
大学卒業後は競走馬育成牧場に勤務。
生産・育成の現場への深い理解と知識を生かした執筆活動を行う。
現在は「優駿」「サラブレ」「競馬ブック」などの競馬雑誌に寄稿する他、競走馬のふるさと案内所のニュース記事等も担当。
エッセーのタイトルは造詣の深い「北海道日本ハムファイターズ」から。
最新記事一覧
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第151回 『馬に乗らないホースマン PARTⅠ』 2021.07.16
先日、「優駿」の取材で、今年で創立30周年を迎えた軽種馬育成調教センター(以下、BTC)の取材に行ってきた。 30年前となると筆者は18歳。当時は競馬の「け」の字も知らない年頃であり(まったくの嘘)、BTCという言葉を初めて知ったのは、大学卒業後に勤務していた育成牧場に、BTCの育成調教技術者研修を終えた騎乗スタッフが勤務していたことだった。 全く馬など触ったことが無い自分に対して、懇切丁寧に手入れのやり方などを教え...
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第150回 『ウマ娘、初めて見ました PARTⅡ』 2021.06.21
名馬を擬人化するメリットが、馬の名前よりも先にキャラクターが入ってくることであり、そのキャラクターを通して、名馬を深く知ろうとする試みも「ウマ娘 プリティーダービー」はフォローしている。 その1つがウマ娘の活躍や、ガチャを引いたカードによって公開されていく、ストーリーの存在だ。このストーリーが良くできているというのか、モデルとなった馬のエピソードも盛り込みながら、ウマ娘の魅力も表現されている。 当初はガチャ(ウマ...
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第149回 『ウマ娘、初めて見ました PARTⅠ』 2021.05.19
生まれてこの方、スマホゲームだけはやるものかと思ってきた。一度、アプリを起動してしまうと、貴重なバッテリーだけでなく、月末の速度低下に繋がるギガ数を奪われてしまう。しかも、ハマってしまったが最後、課金でお金をむしり取られる。 馬券が当たらず、ただでさえお金が無くなっていくというのに、課金なんてとんでもない。それでも、さすがにこのスマホゲームの存在は無視できなくなってきた。 株式会社Cygamesから今年の2月24日より配...
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第148回 『いつかは悲しくなるのだろうけど』 2021.04.19
数年前、静内へ取材に向かう道中、朝食を買うために新冠のセブンイレブンへと立ち寄った。自動ドアが開いた時、即座に長身の男性が視界に入ってきた。そこには、せり市場のパレードリンク、そして競馬場のパドックで、少しだけ視線を上に向けたのなら、その姿をすぐに探し出せる岡田繁幸さんが、サラダを片手にレジへと並んでいた。 この業界で岡田さんほど、声をかけやすい人はいない。いつも、快活な笑顔を返してくれるだけでなく、こちらが何...
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第147回 『無所属のフリーライター』 2021.03.19
そういえば、年明けに優駿編集部から届けられる取材用のパスが、まだ手元にないことに気づいた。 いつもパスを送ってくれている、優駿編集部の道産子編集者に話を聞くと、JRAの報道にパスの申請は出しているとのこと。だが、年末から年始にかけての、新型コロナウイルス感染者の大幅な増加を受けて、JRA(含む優駿編集部)では、テレワークで業務を行っている職員も多くなっているのも原因らしい。てっきり、「ウチの名を借りて、好き勝手...
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第146回 『沢村忠と五木ひろしとダービー』 2021.02.19
昔から本を読むのは速いほうだった。ページ数にもよるが、調子が良ければ単行本を1~2時間で読破できる。以前に「修行」という名目で、図書館から1日に3冊の本を借りて、その日のうちに読破。次の日には返すというサイクルを、一か月程続けたことがある。 それでもこの本は手強かった。著者である細田昌志氏が、執筆を思い立ってから約10年にもわたる緻密な取材を続け、昨年の10月に上梓された、『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモータ...
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第145回 『ダービースタリオン』 2021.01.15
4年目にして破産をした。原因は分かっている。初期牝馬にそれなりのネームバリューのある種牡馬を配合したのだが、産まれてきた牡馬は体質が弱く、ほぼレースに出走できないまま、未勝利で引退。 兄の無念を晴らすかのように、オープンまで上り詰めようとしていた弟は、デビュー前に脚元が強いというコメントが聞かれたにもかかわらず、調教中に屈腱炎を発症し、その後の成績も振るわなくなった。 その後、インブリードを狙って配合された生産...
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第144回 『馬九いく守で馬券も上手く 2020.12.16
今年、最後のせり市場となった、ジェイエス秋季繁殖馬セール当日。競走馬のふるさと日高案内所でのんびりと、いや、取材に向けての鋭気を養っていると男性職員が、「村本さん、これ知ってますか?」と言って、お守りと御朱印帳を持ってきた。 最近は御朱印を集めたり、神社に行くのが流行ってますよね、と言おうと思ったところ、その御朱印帳とお守りにデザインされた馬の姿に目が行く。思わず、何ですかこれ?と質問を向けると、その男性職員は...
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第143回 『HIDAKA HORSE CARDS』 2020.11.20
きっかけは、知人の生産者がFacebookに載せていたある記事だった。 「3枚連続で同じカードをゲット(笑)」とのコメントが書かれた記事には、ゴールの瞬間と思われる馬の写真と、馬名が記載されたカードが。数日後には他の生産者が、「レアカードが出た!」とホログラム加工がされたカードを、Facebookにアップしていた。この2人ともに日高町内の生産者であり、「日高町」「馬」「カード」でググってみると、あっさりと「HIDAKA HORSE CARDS」...
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第142回 『ゾース、馬ソリを引く』PART Ⅱ 2020.10.16
ゾース(シマウマと馬を異種交配された雑種馬)を乗馬にするために、シマウマの牡馬を購入した、新冠町内で生産牧場を営む田村義徳さん。繋養していたアパルーサとハフリンガーの牝馬に配合を試みると、牡、牝の双方で見事な縞模様が出たゾースが誕生した。 しかしながら、知人からの誘いを受けて、その2頭のゾースは草ばんば大会へと出走。その噂を聞きつけて、会場であるむかわ町穂別へとやってきた筆者、というのが前回のあらすじである。...