第5コーナー ~競馬余話~
1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。

最新記事一覧
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第31回 ヒサトモの恩返し 2013.10.15
第58代ダービー馬トウカイテイオー(父シンボリルドルフ、母トウカイナチュラル)が8月30日、繋用先の北海道安平町の社台スタリオンステーションで急死した。25歳。急性心不全だった。 弾むようなフットワーク、ざんばらでワイルドなたてがみ、見た目も華やかなスターホースらしいスターホースだった。 安田隆行騎手(現調教師)とのコンビでデビュー以来無傷の6連勝でダービーを制覇。ダービーのレース中に骨折し、4歳4月に戦列復帰した。...
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第30回 ヨハネスブルグ 2013.09.24
新種牡馬ヨハネスブルグ(USA)が派手なパフォーマンスを見せたのは8月17日のことだった。 JRA函館競馬第5レースの新馬戦(芝1200㍍)で1番人気のペプチドスピカ(牝、母ドリームスピカ、母の父バブルガムフェロー)は好スタートから先頭を奪うと、そのまま後続を寄せつけず、2着に1秒8の大差をつける圧勝劇を演じた。 すると新潟競馬第5レースの新馬戦(芝1400㍍)でも田辺裕信騎手に操られたスナークマスカラス(牡、母サザンヒルズ、...
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第29回 種牡馬メーカー 2013.08.15
6月23日に阪神競馬場で行われた第54回宝塚記念で、前代未聞の記録が達成された。どんな記録だったのかという種明かしは後回しにして、まずは出走馬と着順を、枠順に従って見てもらいたい。 ①ヒットザターゲット(父キングカメハメハ)11着 ②タニノエポレット(父ダンスインザダーク)9着 ③フェノーメノ(父ステイゴールド)4着 ④ダノンバラード(父ディープインパクト)2着 ⑤シルポート(父ホワイトマズル(GB))10着 ⑥トーセンラー(...
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第28回 母と子の絆 2013.07.22
節目となった第80回日本ダービーは単勝1番人気のキズナ(父ディープインパクト)が優勝した。 武豊騎手が前人未到のダービー5勝目を飾るなど、今回も数々の新しい記録が作られたが、僕が一番驚いたのは、キズナは母キャットクイル(CAN)が20歳の時に出産したという事実だった。これは1942年(昭和17年)優勝のミナミホマレと並ぶ最高齢出産でのダービー制覇だった。 これまでに誕生した80頭のダービー馬は果たして母が何歳の時に出産したのだ...
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第27回 究極の内国産 2013.06.13
今年で18回目を迎えたNHKマイルカップは、かつて「マル外ダービー」と呼ばれた。この世界で俗に「マル外」と呼ばれる外国産馬が大活躍した。 1996年の第1回は象徴的だった。優勝したのは米国生まれのタイキフォーチュン。2着は英国産のツクバシンフォニーで、3着も英国生まれのゼネラリスト。以下ヤシマキャプテン(米)、スギノハヤカゼ(米)、ヒシナタリー(米)、セイントリファール(米)、エイシンガイモン(米)と上位8着までを、...
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第26回 皐月賞の秘密 2013.05.14
4月14日に行われた第73回皐月賞は単勝1番人気のロゴタイプが優勝した。 通算8戦5勝。昨年11月のベゴニア賞から朝日杯フューチュリティS、年明けのスプリングS、皐月賞と4連勝。押しも押されもせぬ第80回ダービーの最有力候補に名乗りをあげた。 父ローエングリンは現役時代、国内外合わせ、18度、GⅠレースに挑みながら、ついにタイトルを手にすることはできなかった。しかし、その息子は朝日杯フューチュリティSに続く2つ目の勲章をしっか...
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第25回 世代交代 2013.04.10
昨年7月の函館2歳Sに始まった2013年クラシックレースの重賞戦線で、今年3月のスプリングSまでに25レースが行われ、22頭のステークスウイナーが誕生した。 新種牡馬のブラックタイドがテイエムイナズマ(デイリー杯2歳S)を送り出し、幸先のよいスタートを切ったかと思えば、フジキセキはタマモベストプレイ(きさらぎ賞)とメイケイペガスター(共同通信杯)を生み出し、これで初年度から15世代連続で重賞勝ち馬を誕生させるという驚異的...
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第24回 フジキセキ産駒1000勝 2010.03.01
2月7日,東京競馬第5レースで1番人気のハングリージャックが優勝した。5ヵ月ぶりの実戦となったハングリージャックだったが,蛯名正義騎手の手綱に応え,危なげなく勝った。この勝利は中央競馬におけるフジキセキ産駒の通算1000勝目だった。この時点でフジキセキの1000勝はJRAの種牡馬別勝利数で第11位となった。歴代1位からを順に並べると次のようになる。 ①※サンデーサイレンス(USA)2749,②ノーザンテースト(CAN)1757,③※ブライア...
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第23回 2歳の年度代表馬 2010.02.01
地方競馬全国協会(NAR)は1月7日,「NARグランプリ2009」の表彰馬と表彰者を発表した。年度代表馬にはデビューから無傷の5連勝を飾ったラブミーチャン(笠松・柳江仁厩舎)が選ばれた。1990年に第1回NARグランプリが始まって以来,2歳馬が年度代表馬に選出されるのは初めてという快挙だった。 日本中央競馬会(JRA)が主催するJRA賞の年度代表馬でも54年の発足以来,2歳の年度代表馬は出現していない。 ラブミーチャンは07年3月19日に北海道新ひだか町の...
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第22回 世代交代 2010.01.01
ジャパンカップ(JC)ダートでのエスポワールシチーの勝利は,アンバランスだった世代別の勢力図を正常に引き戻す価値ある白星だった。 ダート界はここ数年,2002年生まれの「ディープインパクト世代」が君臨してきた。中央競馬でいえば,05年のJCダートをカネヒキリが優勝したのを手始めに,06年フェブラリーS(優勝カネヒキリ),07年フェブラリーS(サンライズバッカス),同年JCダート(ヴァーミリアン),08年フェブラリーS(ヴァーミリアン),同年JCダート(...