北海道馬産地ファイターズ
1972北海道生まれ。
札幌市在住。
大学在学中に「第1回Numberスポーツノンフィクション新人賞」を授賞。
大学卒業後は競走馬育成牧場に勤務。
生産・育成の現場への深い理解と知識を生かした執筆活動を行う。
現在は「優駿」「サラブレ」「競馬ブック」などの競馬雑誌に寄稿する他、競走馬のふるさと案内所のニュース記事等も担当。
エッセーのタイトルは造詣の深い「北海道日本ハムファイターズ」から。

最新記事一覧
-
第88回 『字幕の必要性』 2016.04.14
先日、レギュラーコメンテーター(笑)として出演させてもらっている、グリーンチャンネルの「馬産地通信」ディレクターから、「村本さんの台本をいただけますか?」と収録後に声をかけられた。 「馬産地通信」では収録の一週間前ほどに、ディレクターから放送内容と、その内容に添った台本が届く。その台本だが、「オープニング~季節の挨拶(以下、フリートーク)~馬産地通信スタートです!」といった、非常にざっくりしたもの。ただでさえ話...
-
第87回 『新しい競馬新聞』 2016.03.17
人に言えるほどの長所も無く、これといった取り柄も無いままに、40代中盤を迎えようとしている自分だが、実は鼻がいい。 と書いてみたものの、その特技をどう立証できるのかがイマイチ分からない。鼻がいいからといって、警察犬のようなことはできないし、日常生活で使えることと言えば、ガスコンロのスイッチが入ったまま、火が付いていないのをいち早く気付けるぐらいだろうか。 もしあと20年程若ければ、調香師を目指したかったなあとも思う...
-
第86回 『新種牡馬とゲーム』 2016.02.20
(株)中央競馬ピーアール・センターから発刊されている「優駿」に、「馬産地最前線」というコラムが連載されている。 執筆者は仕事から飲み会まで、まさに公私ともにお世話になりっぱなしの(笑)、馬事通信・山田康文記者。その「馬産地最前線」1月号の記事として、「今シーズンから繋養される新種牡馬の登録頭数が、数年ぶりに40頭を超えるのでは?」といった内容の記事が掲載されていた。 個人的にも新種牡馬の数が増えたと思える出来事が...
-
第85回 『競馬とナショナリズム』 2016.01.14
まずはニュースから。「JBBANEWS」にて、馬産地ファイターズを執筆中の村本浩平さんが、28年度の契約を更新しました。 この「JBBA NEWS」コラム内では、吉川良さんの「烏森発牧場行き」に続くロング連載であり、また85回の掲載回数は、小山内完友さんの「馬ミシュラン」とも一緒。ユニフォームをモチーフにしたデザインでもお馴染みですが、このまま連載が続くようだと、コラムの回数が書かれた背番号がプロ野球界では育成選手の...
-
第84回 『他山の石とするのではなく』 2015.12.24
先日、とある生産者の方から電話をもらった。その生産者の方とは、取材を通して親しくさせてもらっており、最近も活躍馬が現れたことで、重賞を勝利する度に電話やショートメールなどでお祝いの言葉を贈らせてもらっているような関係である。 また嬉しい話を聞かせてもらえるのかな、と思って電話に出ると、その生産者の方は沈んだトーンでこんな話をしてきた。 「先日、新聞の取材を受けたんだけど、話していることのニュアンスがまるで違って...
-
第83回 『マスターズ・アイ』 2015.11.19
そう言えば(という書き出しで始まるコラムもどうかと思うが)、今年の札幌開催では、『マスターズ・アイ』~札幌競馬2歳戦の「みどころ解説」~という、イベントのお手伝いをさせていただいた。 札幌開催が終わってからしばらく経っている今、この事柄について今さら触れるのもどうかと思うが、先日とある牧場主、そして友人の競馬ファンから、「あれはいいイベントだったよね」という言葉をもらい、これはコラムの題材として書かねばいけない...
-
第82回 『ツアーツアーツアー』 2015.10.22
先日、自分のFacebookに、「ツアーに行ってきます!」との文章と共に新千歳空港内の写真を添付したところ、「いいね!」だけでなく、「どこにいくの?」との書き込みがあった。 友人のみんな、ナイスリアクションありがと!なんて思いながらネタばらしをしたのだが、新千歳空港からのツアーとは旅行ツアーではなく、新千歳空港に参加者が集合する某クラブ法人の1日ツアーのこと。そのクラブ法人のスタッフから、「村本さんにはツアーのゲストと...
-
第81回 『UMAKOプロジェクトPARTⅡ』 2015.09.15
競馬界に未来のホースマンだけでなく、未来の競馬ファンとなる子供たちを獲得すべく、勝手に行動を始めてみた、「UMAKOプロジェクト」。 勿論、これはJRAの各競馬場で開催されている、「UMAJOプロジェクト」からオマージュ(笑)を受けたものであるのは、賢明な読者の皆さんならお分かりだろう。と書きながらも、個人的にどんな行動をすれば、競馬界に子供たちを呼び込めるのか...。と頭を悩ましていたところ、8月3日に苫小牧市の...
-
第80回 『UMAKOプロジェクト』 2015.08.20
函館競馬場で行われている、ビギナーズセミナー(初心者向けの競馬教室です)講師の中休み。教室となっているクーラーの効いている部屋から、炎天下の屋外に出て、ふれあいパドックに歩を向けていくと、馬車がもの凄いスピードで走っていた。 一瞬、「まさか、御者に何かあったのでは?」と思い、馬車に乗っていた子供たちを助けるべく、とりあえず、締めていたネクタイを緩めて馬車に飛び乗ろうと思ったのだが、よく見ると御者の席には手綱を持...
-
第79回 『HBAトレーニングセール』 2015.07.15
初めて上がった鑑定台は思っていた以上に視点が高く、眼前に広がる座席からは圧迫感さえ感じられた。 僅かなサインでも見落とさないとばかりに、会場全体を目を凝らして見たものの、緊張もあるのか、どこから、しかもどのタイミングで送られてくるかがまるで分からない。購買者のサインを的確に判断するには、やはりスポッターとの連携が必要だと感じさせられた。 深く深呼吸をした後、振り下ろす部分が欠けていたハンマーを握る。それは何頭も...