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烏森発牧場行き

吉川良 烏森発牧場行き

2020年の記事一覧

第307便 バー「たられば」

 「あと3日でダービー。スタンドに人がいない、新型コロナウイルスダービー、とか思いながら、そうか、おれ、ダービーのことを考えてる場合じゃないのだ。自分が食っていけるかいけないか、それを考えなくてはならぬのだ、と笑った」

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第306便 余計な心配

 私が買う馬券はめったに当たらない。だから、間違ったように当たると、いっぺんに幸せになる。その、いっぺんに幸せになる、というのが忘れられなくて、60年以上も馬券とつきあっているのだろう。

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第305便 ウインズ休止

「あんなに競馬が好きだったのに、競馬のテレビをつけても、見ているんだかいないんだか、何も反応しないで、ただぼんやりしてるんです。
 認知症っておそろしい。人間って、こんなふうにもなっちゃうんだって」

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第304便 古井さん

 「日本の純文学作家の最高峰の一人で、内向の世代を代表する古井由吉さんが18日、肝細胞がんで死去した。82歳だった。葬儀は近親者のみで営んだ」

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第303便 無時間

 「暦では新しい年を迎えたが、そうした時計が刻む通常の時間、とは異なる時間がある、と谷川さんはいう。その時間の中では、死者たちも、一種の幻想みたいに存在しつづけている、という。谷川さんはそれを、無時間の時間と呼ぶ。肉体にこそ通常の時間が刻まれていくが、無時間を生きる魂や心は死ぬことはなく、不老不死。だから武満徹や大岡信ら親友が亡くなっても、寂しくないという感覚がずっとある」

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第302便 マーフィーの日

「こんなことやってるんですよ。メンバーのほとんどがジィさんバァさん。もし見てもらえたらうれしいなあ」
と去年の2月だったかウインズ横浜で、75歳の野田さんからハガキを渡された。野田さんは元銀行マンで、老後を馬券で楽しんでいる。

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第301便 けやきの下で

 東京競馬場に着くと、第4R3歳以上1勝クラス、ダート1600に出走する16頭がパドックを歩いていた。

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