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烏森発牧場行き

吉川良 烏森発牧場行き

最新記事一覧

第296便 ひとり旅

 月に一度くらいかな、「どうしてる?」と電話してくる高校時代の友だちがいる。私の高校卒業は1955(昭和30)年で、同学年は82歳か83歳になっている。

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第295便 エポワスおじさん

 第86回ダービーは浜中俊騎乗の12番人気、単勝9,310円のロジャーバローズが勝った。私は地下での、勝利騎手の共同記者会見場にいて、
 「3年前に亡くなったおじいちゃんに、今日の日を見せたかった」
 とそれまで笑顔だったのに、突然のように祖父のことを言って泣きだした浜中騎手を見ていて、ロジャーバローズが先頭でゴールポストを通過したシーンがよみがえり、ああ、今年も、生きていて、ダービーの日の競馬場にいて幸せだな、と自分に言った。

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第294便 ひとりじゃない

 5月5日の夜、
 「明日、遊びに行ってもいいですか。うれしい報告があるんです」
 と幸市が電話してきた。

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第293便 こんこんこん

 新しい年号が「令和」と発表された日の夜、鎌倉のにぎやかな小町通りの裏にある路地の酒場にいた。あとから大工の雄二さんも入ってきて、ずいぶん会っていなかったよなあと乾杯をした。

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第292便 ユクエフメイ

 新聞に哲学者の鷲田清一の連載コラム「折々のことば」があり、2019年3月8日には、
 「人間には、
 行方不明の時間が必要です」

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第291便 とんぼのように

 1月20日のこと、ウインズ横浜に着くとテレビに、中山3R3歳未勝利に出走する15頭のパドックが映っていた。

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第290便 5GとかRTとか

 60歳を過ぎたころから、自分だけの行事が二つ生まれた。ひとつは、3月10日か11日に、東京の葛飾区小菅あたりを歩きに行き、食堂を見つけてビールをのむ。

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第289便 黙々の日曜日

 ウインズ横浜へ行くのには、先ず住宅地から190段の石段をおりる途中の、めったに人のいない子守り神社に賽銭を入れて鈴を鳴らし、「なんとか馬券に幸運を」と手を合わせてバス停へ行き、コマワリくんと呼ばれる小さなバスでJR鎌倉駅へと向かう。

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第288便 ちまちま

 JR桜木町駅に近いコーヒーショップで競馬新聞を読んでいると、「ここ、いいですか」と若い男が私と相席になった。小さなテーブルをはさんで彼も、競馬新聞を持っている。

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第287便 競馬学者

 「この一年、こんなに自分が親父のことを考えるなんて思わなかったなあ。なんだか親父の悲しさとか寂しさみたいなものが、死んでから見えてきたような気がするんですよ。

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