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2021年の記事一覧

  • 第324便 この景色、最高! 2021.12.13

     この15年で私が何度か手術をしている大きな病院の、ほとんど隣にある大きな製薬会社に水野クンは勤務している。その病院と製薬会社のあいだの敷地に仮設住宅のようなものが建っていて、そこがコロナウイルスの患者の治療室だった。 「コロナが治まったら、会社の後輩たちと4人、お邪魔させてください。みんな、めちゃくちゃ楽しみにしてるんです」 と水野クンから頼まれて1年が過ぎ、どうにかコロナが治まってきて、2021年11月6日、土曜日の...

  • 第323便 チブル 2021.11.12

     ウインズ横浜に近い川のほとりのバーで知りあった野原さんは、私より10歳若く、コンサルタント業ということだが、具体的には知らない。私が知っている野原さんは競馬にくわしく、馬券上手、お酒に強い。払戻しがあると全額そのまま、大きな壺に投げ入れ、それを貯めて資金にし、凱旋門賞を見に行くツアーに参加するのを楽しみにしている。 2006年の失格になってしまったディープインパクト、2010年のナカヤマフェスタの2着とヴィクトワールピサ...

  • 第322便 初めてのパドックで 2021.10.15

     コロナウイルスが世界中を苦しめている2021年の8月14日、ジャニーズ事務所会長の藤島メリー泰子の死去をテレビが伝えた。 ジャニーズ事務所って凄いよなあ。ジャニーズ抜きで日本の若い女性を語るわけにはいかないんだよなあ、と思ってから合掌をした。 私の沈黙のなかに、藤島メリー泰子の夫だった藤島泰輔の声がよみがえってくる。 天皇賞や有馬記念に何度も出走し、名脇役で4億円の賞金を獲得したランニングフリーの馬主だった藤島泰輔は...

  • 第321便 五輪の夏 2021.09.10

     家で、テレビで、オリンピックを見ている。2021年、コロナ禍の夏で、スタンドに客はいない。アスリートたちは、からっぽの客席を見て、どんな気持ちになるだろう。 私は25メートルぐらいは泳げるけれども、50メートルとなるとキツい。ましてや泳ぎの競争なんてしたことがない。競泳のシーンを見ながら、凄いなと感じながら、でもオレ、競馬が好きで、17歳ぐらいから84歳の今まで、ずうっと見ているのだ、と誰かに言ってる。 頭の中をヒカルイマ...

  • 第320便 喧嘩腰 2021.08.11

     不意に思い出がよみがえって、そのひとときに現(うつつ)をぬかし、うっとりと過去に浸っていることがある。 北海道勇払郡早来の、テンポイントの墓のある吉田牧場のおばあちゃん、吉田ミツさんとの思い出だ。 ようやく雪がとけて、空でひばりが鳴き、どこからか川の流れの音が聞こえてくるような晴れた朝、牧場の隅っこのカシワの木につながれたアテ馬が投げ草を食っている。 「あれっ、カラスが」 と通りかかったミツさんに私が言う。カラ...

  • 第319便 うれしそうな顔 2021.07.09

     2005年3月のこと、68歳だった私は心筋梗塞に襲われ、アウトを意識したけれど、どんな運があったのか、生き残った。 その入院中のこと、病室の窓から青空を眺めながら、もういちど、北海道の空の下で暮らしてみたいと強く思った。どうして強く思ったのか。それは簡単には言えない。 東京の下町育ちの私は、二度、北海道の暮らしを経験している。一度目は1966(昭和41)年から2年間、札幌市中央区南3条西6丁目グランドビル602号室で暮らしてい...

  • 第318便 表札看板アルバム 2021.06.18

     「いつになったらコロナウイルス戦争は終わるのでしょうか。仕事が切れない木工場にいるぼくは幸運なのですが、居酒屋やバス会社で働いている友だちは、まったく収入がなくなっている人もいて、絶望的になっています。 ぼくは相変わらず、看板追っかけを楽しみにしています。4月になってからは4日の中山10R両国特別で、(株)松浦牧場のシャチが15頭立て10番人気なのに勝ちました。単勝は2,820円。それを100円買ってたからどうだ、と言われそ...

  • 第317便 昭和モダン 2021.05.12

     「今年も中止にするしかないね」 と4月3日、青梅市に住むササキくんが電話してきた。 「去年もダメだったし、残念」 と私も言うしかない。毎年のこと、皐月賞が近づいた日に、小金井市に住むサトウくんと3人、「ハイセイコー会」と称して、新宿の居酒屋に集まってきたのだが、新型コロナウイルスのために中止なのだった。 若い人に言ったら、「ナニ、ソレ?」と言われそうだが、ハイセイコーが引退したあと、1980(昭和55)年ごろから、サ...

  • 第316便 栄さん 2021.04.12

     昔のこと、「時間、あるかね?」と、社台ファームのボス、吉田善哉さんから電話がくると、それは美浦トレセンへ一緒に行こうよという誘いだった。それでよく同行をした。 美浦へ着くまでの車中、善哉さんは「言葉」についての話をするのが好きだった。例えば、 「草鞋(わらじ)を脱ぐ、というのはどういう意味なのかね」 といきなりの質問を私にぶつけてくるのだ。 「旅を終えるという意味もあるし、各地を回り歩いていたバクチ打ちが、或る...

  • 第315便 ノン子の手紙 2021.03.11

     シッコやウンチの世話をして、エンもユカリもない人をお風呂に入れて、エンもユカリもない人のイレ歯を洗って、エンもユカリもない人を病院へつれて行って、エンもユカリもない人にゴハンを作ってあげて、わたしの人生、ナンナのって思う」 などとノン子が口にすることもあるのだけれど、「のぎく」のママに言わせると、「やさしいし、気はきくし、介護ヘルパーとしては最高の人材ですって、介護の会社の人が店にきた時に言ってた」 ということ...

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