第5コーナー ~競馬余話~
1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。
最新記事一覧
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第55回 「ダービー馬」 2015.10.20
2013年の日本ダービー優勝馬キズナが引退することになった。秋の天皇賞を目指して放牧先から帰厩した直後に右前脚の浅屈腱炎が見つかった。父ディープインパクト、母キャットクイル(CAN)。姉に桜花賞馬ファレノプシスを持つ良血馬。種牡馬としての期待も大きく、現役引退という選択は正しいものだと思う。 僕がキズナの強さをもっとも感じたのは、凱旋門賞の前哨戦として選んだニエル賞での走りだった。 日本ダービー馬が凱旋門賞挑戦のためフ...
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第54回 「復活」 2015.09.11
8月8日、JRA札幌競馬場で行われたメインレース、札幌日経オープン(芝2600㍍)で、かつて「ダービー候補」と言われたペルーサ(牡8歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が実に5年ぶりの勝ち星を挙げた。 1周目の直線で先頭に立つ積極的なレース運びで長丁場を克服。ゴール前ではタマモベストプレイ、ワールドレーヴなどの追撃を封じ込め、21戦ぶりの白星を飾った。勝ちタイムは2分38秒7のコース新記録。従来の記録を0秒1更新してみせた。初めて...
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第53回 「全場制覇」 2015.08.12
7月12日に福島競馬場で行われた七夕賞は2番人気のグランデッツァが優勝した。騎乗した川田将雅騎手(29)にとって、この勝利は福島競馬場での重賞レース初勝利となり、川田騎手は日本中央競馬会(JRA)の10競馬場のうち9競馬場での重賞勝ちを果たした。 2004年にデビューした川田騎手が初めて重賞レースを制したのは2006年2月、小倉競馬場で行われた小倉大賞典だった。11番人気のメジロマイヤーに騎乗して1800㍍を逃げ切った。同年3月にはマ...
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第52回 「祝3冠」 2015.07.13
重い扉はついに開かれた。 6月6日、米ベルモントパーク競馬場で行われた第147回ベルモントS(ダート12ハロン=約2400㍍)で、1番人気に支持されたアメリカンファラオが見事に逃げ切った。ケンタッキー・ダービー、プリークネスSに続く勝利で3冠達成。1978年のアファームド以来37年ぶりの記録達成となった。 米3冠レースは短期間で行われる。今年の例でいくとケンタッキー・ダービーが5月2日、プリークネスSが5月16日、そしてベルモン...
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第51回 「ジンクス」 2015.06.12
NHKマイルカップは皐月賞で5着だった単勝3番人気のクラリティスカイが優勝、父クロフネ(USA)に続く同レース史上初の父子2代制覇を果たした。 今年20回目を迎えたNHKマイルカップは創設された当初「マル外(外国産馬)のダービー」と呼ばれた。出走馬の大多数を外国産馬が占め、当然のように上位を独占した。創設の1996年からタイキフォーチュン(USA)、シーキングザパール(USA)、エルコンドルパサー(USA)、シンボリインディ(USA...
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第50回 「いろいろ」 2015.05.18
4月5日に中山競馬場であった伏竜Sは「カラフル」なレースになった。なぜカラフルなのか。出馬表を再現してみましょう。①アンヴァリッド(栗毛)②タケルオウジ(芦毛)③クロスクリーガー(鹿毛)④カラパナビーチ(黒鹿毛)⑤タンジブル(栗毛)⑥ブチコ(白毛)⑦マイネルオフィール(鹿毛)⑧ホワイトフーガ(芦毛)⑨マイネルシュバリエ(鹿毛)⑩カフジテイク(青鹿毛)⑪リアファル(鹿毛)⑫ノースランドボーイ(青毛)⑬ペプチドウォヘッド(鹿毛)...
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第49回 「3×3」 2015.04.16
3月21日、中山競馬場で行われた3歳牝馬による重賞レース、第29回フラワーカップは、1番人気に支持されたアルビアーノ(USA)が逃げ切って優勝した。Harlan's Holiday(ハーランズホリデー=USA)産駒はアルビアーノを含めて、これまで11頭が中央競馬に登録され、レースに出走した経歴を持つが、これが産駒のJRA重賞初勝利となった。 1999年に米国で生まれたハーランズホリデーは2002年春、フロリダダービー、ブルーグラスSとGⅠレースで2連勝...
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第48回 「固め打ち」 2015.03.13
2月1日、種牡馬キングカメハメハが、産駒が1日で11勝するという中央競馬の新記録を達成した。従来の記録はサンデーサイレンス(USA)が1999年6月12日に記録した1日9勝だった。 記録達成の日、最初の勝ち星は京都競馬場の第2レースだった。3歳未勝利戦(ダート1800㍍)でトップディーヴォ(四位洋文騎手)が優勝した。2勝目も京都。第4レースの3歳500万下(ダート1800㍍)で白毛のブチコ(岩田康誠騎手)が快勝した。その後の優勝レー...
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第47回 「多様性」 2015.02.17
少し古い話になるが、昨年12月に行われた2歳牝馬のGⅠレース、阪神ジュベナイルフィリーズは出走馬18頭の種牡馬がすべて違っていたことが話題になった。 枠順通りに出走馬と種牡馬を並べてみよう。①ロカ(ハービンジャー(GB))②エフェクト(スクワートルスクワート(USA))③アルマオンディーナ(キンシャサノキセキ(AUS))④ココロノアイ(ステイゴールド)⑤スマートプラネット(ファルブラヴ(IRE))⑥トーセンラーク(アルデバランⅡ(USA)...
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第46回 「父超え」 2015.01.06
11月23日に京都競馬場で行われたマイルチャンピオンシップは、岩田康誠騎手騎乗のダノンシャークが福永祐一騎手のフィエロとの競り合いを制し、GⅠレース初勝利を挙げた。2頭の着差は約5センチという大接戦だった。 このレースには6頭のディープインパクト産駒が出走していた。結果はダノンシャークが優勝、フィエロが2着、トーセンラーが4着、エキストラエンドが5着と4頭が掲示板(5着以内)を確保した。そしてワールドエースが8着。も...