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プロフィール
有吉正徳競馬ライター

1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。

最新記事一覧

  • 第75回 「魔術」 2017.06.12

     4月30日、京都競馬場でキタサンブラックが天皇賞・春を制してから、およそ2時間たったころ、香港・シャティン競馬場で快挙が達成された。日本から遠征したネオリアリズム(牡6歳、美浦・堀宣行厩舎)がクイーンエリザベス2世C(芝2000㍍)で優勝し、GⅠ初制覇を海外で飾った。 クイーンエリザベス2世Cでの日本調教馬の優勝は2002、2003年に2連覇したエイシンプレストン(USA)、2012年のルーラーシップ以来5年ぶり4度目のこととなった...

  • 第74回 「新記録」 2017.05.17

     今年もまた皐月賞のレコードタイムが塗り替えられた。 第77代皐月賞馬に輝いたアルアインがマークしたタイムは1分57秒8。中山競馬場の芝2000㍍コースを平均時速61.120kmで駆け抜けた計算になる。 アルアインが更新した従来の記録は前年の2016年にディーマジェスティがマークした1分57秒9。皐月賞レコードは2年連続で更新された。 中山競馬場の芝2000㍍コースで行われた皐月賞のレコードタイムの変遷を振り返ってみる。 「横濱農林省賞典...

  • 第73回 「ドバイ」 2017.04.12

     ドバイ国際競走が今年も3月25日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのメイダン競馬場で行われた。日本からは10頭が遠征し、6つのレースに出走した。このうちドバイターフ(芝1800メートル)に出走したヴィブロス(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)が見事に勝利をものにした。 香港をベースに活躍するブラジル人のモレイラ騎手とのコンビで挑んだヴィブロスは13頭立てのレースで後方を進み、最後の直線で末脚を爆発させると、早めに先頭に立ったフラン...

  • 第72回 「逆襲」 2017.03.14

     中央競馬の2017年最初のGⅠレース、第34回フェブラリーSは2番人気のゴールドドリーム(牡4歳、栗東・平田修厩舎)が優勝し、自身初のGⅠタイトルを獲得した。ゴールドドリームは、前走のチャンピオンズCで12着に終わっていた。 前走2けた着順から「復活」のGⅠレース優勝という巻き返しは珍しい。あまり記憶になかったので、改めて調べてみた。対象は2000年以降の平地GⅠだ。(外国調教馬はのぞく)【2000年】 ◎キングヘイロー=フェブラリ...

  • 第71回 「7億円」 2017.02.14

     2016年の中央競馬の年度代表馬には、歌手・北島三郎さんが所有するキタサンブラック(牡4歳、栗東・清水久詞厩舎)が選ばれた。記者投票291票のうち134票を獲得し、90票を集めて2位だったモーリスに44票の差をつけた。 年が明けて5歳になったキタサンブラックは昨年、国内で6戦した。シーズン初戦の大阪杯はアンビシャスにクビ差をつけられて2着。続く天皇賞・春ではカレンミロティックとの壮絶なマッチレースをハナ差で制して優勝した。宝...

  • 第70回 「西高東低」 2017.01.06

     先月号の「せん馬」の話題で取り上げたタガノトネール(6歳、栗東・鮫島一歩厩舎)がチャンピオンズカップを目指していた調教中に故障を起こし、予後不良になってしまった。冥福を祈りたい。 タガノトネールの無念が通じたのか、同じせん馬のサウンドトゥルー(6歳、美浦・高木登厩舎)がチャンピオンズカップで優勝を果たした。前身のジャパンカップダートを含め、せん馬の優勝は2003年の米国調教馬フリートストリートダンサー以来、13年ぶり...

  • 第69回 「騸馬」 2016.12.14

     2016年11月12日に東京競馬場で行われた武蔵野S(GⅢ、ダート1600㍍)は田辺裕信騎手が騎乗した8番人気のタガノトネール(6歳、栗東・鮫島一歩厩舎)が優勝した。勝ち時計の1分33秒8は2月のフェブラリーS(GⅠ)でモーニン(USA)がマークした記録を0秒2更新するコースレコードとなった。と同時に21回目を迎えた武蔵野Sで初めて「騸馬」のチャンピオンになった。 鮫島調教師は「この時期は体調もいいんですよ。去年も勝ったと思ったぐらい...

  • 第68回 「本命」 2016.11.14

     10月10日に京都競馬場で行われた第51回京都大賞典(GⅡ、芝2400㍍)は単勝1.8倍という圧倒的な1番人気に支持されたキタサンブラック(牡4歳、栗東・清水久詞厩舎)が優勝した。 通算7勝目。重賞は2015年のスプリングS、朝日杯セントライト記念、菊花賞、2016年の天皇賞・春に続く5勝目となった。 キタサンブラックは不思議な競走馬だ。菊花賞、天皇賞・春と二つのビッグタイトルを持っているにもかかわらず、それまでの11戦で1度も1番人気...

  • 第67回 「ラニ」 2016.10.14

     9月11日、今年の日本ダービー馬マカヒキ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)がフランス・シャンティイ競馬場で行われたニエル賞(GⅡ、芝2400㍍)に出走し、見事に優勝した。スローペースの前半をうまく折り合い、残り400㍍勝負の上がりの競馬を制した。 日本ダービー馬が海外に遠征して勝ち星を挙げたのは2013年にキズナ(牡3歳、栗東・佐々木晶三厩舎)が今回と同じニエル賞を勝って以来3年ぶりのことだった。 中央競馬初の海外遠征に挑んだハ...

  • 第66回 「名人」 2016.09.13

     「ターフの魔術師」「名人」と呼ばれた伝説のジョッキーが亡くなった。武邦彦さん。8月12日、病気のため77歳の生涯を閉じた。 若い競馬ファンにとっては「武豊騎手のお父さん」かもしれない。しかし武邦彦さんの現役時代を辛うじて知っている僕らの世代にとっては、やはり武豊騎手は「タケクニ2世」なのだ。 騎手時代に残した実績を調べ直してみると、いろいろなことに気づき、驚かされる。 1980年1月7日、阪神競馬第4レースでインタース...

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